薬剤師と聞くと薬局で薬を処方してくれる人を、思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。私たちが普段直接お世話になることが多い、薬局薬剤師の他にも、病院に勤務している病院薬剤師という仕事もあるんです。今回はそんな病院薬剤師について紹介します。薬局薬剤師との大きな違いは主に三つあります。一つ目は、治験に携われることです。世の中にある薬は、様々な研究や試験を繰り返して誕生しています。患者さんに協力してもらうことも多いため、相談にのったり、製薬会社の人とやりとりをしたりする、治験コーディネーターが必要です。そんな未来に繋がる仕事も病院薬剤師であれば可能です。
二つ目は、救命救急に携われることです。救命救急センターをもつ大きな病院には、一分一秒を争う危険な状態の患者さんが搬送されてきます。ICUは緊迫状態であることが予想されますが、その中で薬剤師は医師の指示のもと、適切な薬を素早く用意することが求められます。薬に対する深い知識と、普段から薬の状態を熟知している薬剤師の、強みが生かされる場でしょう。チーム医療の中で、医師や看護師から頼りにされ、やりがいを感じる人も多いようです。三つ目は、病棟業務があることです。入院患者に対して服薬指導をしたり、退院に向けての生活や、薬の自己管理指導を行ったりします。また、薬の飲み合わせなどはもちろん、錠剤か粉剤かなど、これから先負担が少なく薬と付き合っていけるように、患者さんを支えることも大事な役割です。上手にコミュニケーションを取りながら、患者さんの日々の変化を身近で感じ取ることができるでしょう。